1959 Around Segovia

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1959年 セゴビアを囲んで
撮影者:高嶺 巌 向かって左側より:阿部保夫・小船照子・高橋武子・セゴビア・京本輔矩・岡田先生・小船幸次郎・永田哲夫
或る日のマエストロ・セゴビア:京本輔矩 [Sukenori Kyomoto] 当日(5月16日)は折悪しく相当に激しい雨であったが、会食の始まる頃より、段々小降りになる。
主賓のマエストロ・セゴヴィアは茶寮の建物や雨に濡れた日本庭園の情緒に満ちたたたずまいに至極御滴足の様子で、終始、和気あいあいの雰囲気。
次々に食卓を飾る中華料理について、スペイン語の岡田先生より説明があると、マエスト口は戦前来日する折に北京で食べた事があり、非常に美味しいものだと話される。
マエストロの今後の予定は七月にイタリーのシエナ、8月にスペインのサンチャゴ、ディコンポルテーラ(昨年よりセゴヴィア先生の講習が行われている由) に行かれる予定との事である。
御挨拶:高橋 功 [Isao Takahashi] ランパレネのDr.Albert Schweitzerの下に参りましてから半年たちます。
その間本誌顧問並びに誌友諸兄の激励のお言莱や慰問品に対し厚く感謝申上げます。
予定の通り6月に引上げるつもりで、すでにAccademia Chigiana からは給費留学生の許可を得、Prof.Emilio Pujolからもバルセローナの国立音楽学校で客として迎えるという招待の手紙をもらい、その外ベルリンのScheling、フランクフルトのHoechstからも給費研究生の許可を得、今後の準備を手まわしよくやっておきました。
ところが幸、ツュワイツェル博士の信頼を得まして、もう少し手伝ってもらいたいとの要望がありましたので、予定を変更して当分赤道アフリカで引つづき博士の事業のお手つだいをつづけることにしました。
本誌は妻武子の手で続刊しますが、何せ女手でゆきとどかないことが多く、今後共どうぞ、私はもちろん武子にも御支援御助力を賜わりますよう、よろしく願い上げます。

1959年6月1日     在ランパレネ

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