October 10, 1939 Argentina - "Nelly Z. Miravalles" and "Mr. Miyamoto Kinpachi's guitar"

1939年10月10日 アルゼンチン「Nelly Z. Miravalles」嬢と「宮本金八氏のギター」

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1939年10月10日 「Nelly Z. Miravalles」嬢と「宮本金八氏のギター」"
「Nelly Z. Miravalles」嬢と「宮本金八氏のギター」 『昭和14年10月20日:在アルゼンチン特命全権公使 内山岩太郎氏ヨリ
外務大臣 野村吉三郎氏への報告

亜国「ギター評論家 「リカルド・ムニヨス」[*1]氏の日本製「ギター」による演奏会に関する件 本件演奏会開催方に関しては本年一月十八日附 拙信を以て報告申し進み置きたる所、其の後演奏に関する準備意外に手間取り、本月10日ようやく日亜文化協会主催の下にこれを開催
予期以上の成績を上げたるにつきご参考までに左にその詳細報告申進す。 右「ギター」製作者宮本金八氏及び「ギター」研究家小倉俊氏に電報方可然らばお取り計らい相成り度し。
1.主催「日亜文化協会」
2. 期日「昭和十四年十月十日午後六時半」
3. 会場「ブエノス・アイレス婦人クラブ」
4. 演題"GUITARRA HIPANO-JAPONESA"

[演奏會概要]
演奏会は日本における「ギター」製作及び「ギター」音楽発達状況を詳記せる
「ムニョス」氏の講演及び、宮本「ギター」に 依る演奏二部に分れ居るものなるか、当日は日亜文化協会、婦人倶楽部幹部、当国社交界、亜国知識階級の人士及び、本使以下館員等、多数出席盛会を極めたるか。
「ムニョス」氏の講演に先立ち日亜文化協会副会長「カサール」海軍少将は協会を代表して、宮本金八氏製作の美事なる「ギター」が亜国斯界の名士「ムニヨス」氏に贈られ、それに「ギター」を通ジ麗わしき国際交流の花を咲かしめたるは、文化協会としても甚だ欣快至極に存するものなり。
「ギター」はスペイン本国及び当方面諸国の独占的のものと考え居りたるに一万数千里を隔てる極東日本に於いて愛好せられ、また之が製作技術の発達し居る実情を知り、甚だ驚嘆し居るものなり」と述べら講演者に席を譲れるか。
「ムニョス」氏は直ちに日本に於ける「ギター」音楽研究熱、優秀なる演奏者及作曲家等に関し別添甲号(講演全文にして第一頁記載の如く。「ムニョス氏は本使に対し、特に寄贈せるものなるか記念のため宮本氏に贈呈す)の如く詳述したる後、最近「ギター」の世界的名手、特に「アンドレセゴビア」の如き名士が続々と日本を訪問せる為、右は同国「ギター」界を痛く刺激しその発達に拍車を掛け居れり。
日本における斯楽の発達は「スパニッシュ・ギター」音楽に一新機軸を与えんとするものなりと述べ、観衆に対し愉快なる印象を与えたり。
「ムニョス」氏ノ右講演において左記番組に依リ 「Nelly Z. Miravalles」嬢の「ギター」演奏おこなわれたるか曲目はいずれも深淵なるものを選びたる為か「宮本氏作」の「ギター」に合致し美音は聴衆を魅了せり(以上原文のまま、以下に演奏番組と写真添付の項あれど略す)

[*1] Ricardo Muñoz.(1887-1967) リカルド・ムニョス. スペイン. ギタリスト作曲家

1958年4月/アルゼンチン便り :Ricardo Muñoz の手紙によると去る 4月プエノスアイレスでギタ ー展が盛大に開催された。
主催は AGA (AsociacionGuitarristica Argentina)で、 スペインポルトガル、イタ リア、フランスなどが協力した。
Torres,Garcia, Simplicio,などの銘器の外、自国の Cherubito, Diaz,Runimas, Yacopiなどの特別出品があったが、 就中 Tarrega が生前愛用したTorresが珍貴なものとして聴集の注目を浴びた。[1958-05-04-Armonia P.35より]

[*転記]Digital Guitar Archive/1940-79-Armonia P.227,228]

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